介護の仕事で色彩知識を生かすメリット

介護士が色彩の知識を持っておくと、様々なシーンで役に立ちます。メリットの一つは、利用者の心を安定させてくれることです。淡い青には緊張を解きほぐし、人の心を落ち着かせる効果があります。たとえば、利用者が興奮してイライラしている時に、窓の外に広がる青空を見せると、心が静まりやすくなるでしょう。また二つめは、利用者に注意を促せることです。赤は視認性が高く、はっとしやすい色です。そのため、施設の段差などに使うと、自分でも気をつけてくれるようになります。

利用者がみんなと過ごす時にも、色彩は効果を発揮します。グループでのメリットの一つは、利用者同士の協調性が高まること。オレンジや黄色などの暖みのある色は、調和を表します。談話室やレクリエーション室などに取り入れると、交流が盛んになったり会話が弾んだりするでしょう。また二つめは、他人を攻撃する気持ちが鎮まることです。緑は中和する色のため、うまく周りにとけ込めず、批判的になっている人の気持ちを穏やかにすることができます。

また介護士自身にもメリットがあります。介護はやりがいがあると同時に責任が重大で、ストレスがたまることもある仕事です。やることは多いのに、どうもやる気が起きないということもあるはず。そんな時は、施設内で自分の状態を改善する色を見つけるなど、意識的に色を選ぶようにすると良いでしょう。仕事が効率的に進むようになったり、心が癒やされたりするなど、自分自身にもプラスに働きます。