食事に色彩を取り入れる方法

介護をしていると、介助する高齢者の食が思うように進まないこともあるでしょう。食欲は、その人の精神状態が表れます。高齢者にあまり食べる気が見られないという場合には、本人が抱える悩みごとや食事の環境など、何かしらの問題があるかもしれません。個人の問題ではなく、食事の環境に原因がある場合には、食材や空間の色彩を工夫して、食事を楽しめる雰囲気づくりをすることが重要です。

食事を楽しむためには、おいしそうだと感じさせることが大切。まず、食事環境を見直しましょう。テーブルクロスや料理を盛り付ける器などが、質素で味気ないものになっていませんか?また、周りの高齢者の様子はどうでしょう?介護施設なので、利用者の状態にはもちろん差はありますが、彩りのある空間には食事を楽しめる空気が自然とできあがるもの。料理の色彩に赤など食欲を刺激する色を使い、クロスや器の色彩までこだわり、食卓には花で彩りを与えるなどの工夫をすると効果的です。さらに色彩のテーマを決め、春は緑やピンク、夏は鮮やかな黄色や青など、季節の色合いを取り入れるのも効果が期待できます。

そのほかに、食事の場所を移してみることも検討してみてはいかがでしょう。たとえば、季節のイベントを開く方法。緑あふれる公園でお弁当を食べたり、施設内でカフェを開いてみたり、食欲が減退しがちな夏には施設の敷地内で流しそうめんを行ったりしてみませんか?すると、いつもの食堂とは違う周囲の色とりどりの色彩が、食欲を増進させてくれることも。もちろん、施設の規模やスタッフの数などで実現性には違いがあるので、無理せずできる範囲で検討することが重要です。